ばね指ってどんな病気?
ばね指は女性に多くみられる病気です。
男性でも、手先をよく使うお仕事をなさる方などに
見受けられることもあります。指を曲げて、伸ばそうとすると、
指がばねの様になってスムーズに伸びなくなります。
ひどい場合には、指が曲がったままになってしまい、
反対の手で戻さないと伸びなくなります。そして、
曲がった指が元に戻るとき、痛みを伴います。
指の構造として、指を曲げる腱の周囲には、
滑膜性腱鞘と呼ばれる鞘があります。これは指を曲げる際に、
腱がスムーズに滑走することを助けています。さらに、
指の腹側に靭帯性腱鞘と呼ばれるトンネルがあります。
その中を滑膜性腱鞘が通過することにより、
スムーズな指の動きが得られます。
下の図は、指を曲げ伸ばしした時の滑膜性腱鞘の動きを示したイメージ図です。
正常な状態では、靭帯性腱鞘の中をスムーズに滑膜性腱鞘が
通り抜けていきます。 しかし、手の使い過ぎなどで、
滑膜性腱鞘が炎症を起こした場合、肥厚してしまい、滑膜性腱鞘の
すべりが悪くなり靭帯性腱鞘のトンネルをくぐるときに、ひっかかって、
たくしあげられるような状態になり、スムーズに通過できなくなります。
この状態が続くと、痛みも伴いますし、指を曲げるとひっかっかり感が生じてきます。
上の図にあるように、滑膜性腱鞘がたわんでしまってトンネル内を通過しにくく
なった状態では、ばねを上から押さえているかのような状態になっています。
そして、一旦、トンネルをくぐると、このストレスから弾みをつけて開放され、
ばねがはじけるような状態になります。これを「ばね現象」といいます。